Dendrobatesのフェルトブログ

羊毛フェルト作品や、その作り方

久しぶりに・・・

前回、制作してからかなり時間が経ってしまいましたね。前回のカエルの手を作るのにあまりに手間取って、時間を掛けた割に上手くできなかったので、気分的に疲れてしまったんです。しばらく全くやる気が起きませんでした。

 

今回は、仕事でいつもお世話になっているあるお店に何かお礼をしたいなと思って、久しぶりにまた作ることにしました。でも手を作るのはまた大変なので、以前作っていた時の手足を体の下に隠した形にすることに。これだと気分的にもだいぶ楽です。

 

作り始めてみると、やはりブランクがあるせいか、なんだかいまひとつ上手く形になってくれません。まあ、いつも行き当たりばったりな感じで作っているので、上手くいかない時も多々あるんですが、大抵久しぶりに作る時がこんな感じになってしまうんですよね。当初は小さく作るつもりだったのですが、若干いつもより大きめになってしまいました。しかしながら、毎回上手くいかないなぁなどと思いながら作っているうちに、最終的には今までで一番いいのができ上がるんです。経験を積むって感じでしょうかね。こんなふうに誰かにあげるために作っていると、今までで一番いいものができてしまい、正直なところ毎回ちょっと手放すのが惜しくなってしまいます。まあ、でも次に作ったらもっといいものができるんだし・・・、やはりいまひとつなものを人にあげたくは無いですからね。

 

今回は試しに目の作り方を変えてみました。いつもよりもう少しだけリアルな感じにしてみようかな、と思って。で、目の周りを縁取ってみたんだけど、んー・・・、さほどいい感じじゃ無い。なんだか漫画っぽくなってしまった。そこでさらに形を整えたり・・・、と細かく調整を繰り返し、やっとまあ今回はこれでいいかってところに落ち着きました。そもそも手足の指は作ってないわけだし、そこまでリアルを目指さなくても良いかなって気もしてきました。可愛く作るか、リアルを目指すか。なかなか難しいところです。だいたい自分にそこまでリアルに作れる技術が無いしな。

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ついでに今まで作ったいくつかのカエルの目をこのやり方で修正してみました。目がちょっとくっきりし過ぎて、可愛さ半減したかも・・・。

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フェルトでニホンアマガエル

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今までニホンアマガエルを作り続け、自分なりに良い感じにできるようにはなっていましたが、どうしても手や足などの細かい部分がフェルトでは作りづらく、その点に関しては半ば諦めていました。そもそもほぼ実物大で作るので、手や足の指は細か過ぎてまあ無理かなぁと思っていたのですが、最近他のフェルト作家の人たちがのりを使って手足を作っていることを知り、自分でも試してみることにしました。

 

ちなみに今まで作ってきたものはこんな感じです。手足の指は作れてません。

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今回その方法を使って新たにカエルを作るにあたり、制作過程を写真に撮って紹介してみようと思います。

 

使用した道具は、フェルティングニードル(ハマナカの細い方のやつ)、スポンジのマット、緑、白、黒、こげ茶、黄色の羊毛、スチのり、キッチンペーパー、はさみです。のりは他に試していないので、どれが最適なのかはまだわかりません。

 

まず、緑の羊毛を適量用意します。どのくらいの大きさに作るかによるのですが、私の場合だいたいこのくらい。はっきり言ってテキトーです。

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刺してまとめていきます。

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ゆるいけどある程度形がある感じになるまで刺します。

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今度は白い羊毛で同じようなものを作ります。これがおなか部分になります。

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だいたい同じようなものができたら、先ほどの緑のやつと合わせます。

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重ね合わせて上下から刺し、一つのかたまりにします。

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二つがくっついたら、まわりからも刺して、形をざっと整えます。こんな感じ。

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形は程良くに整える程度で、あまり硬くなるまで刺してはいけません。まだ少しふわふわした状態にキープしておきましょう。硬くしてしまうと後で形を整えるときに難しくなります。

 

次に目になる部分を作ります。適当な量の羊毛を指先で丸めてみて2つ同じくらいの大きさの玉状にします。まだ刺して固めてはいません。

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カエルの本体のどちら側を頭にするか決めて、頭部分の適当な場所に先ほど用意した目になる部分を置いて刺していきます。この時、目のパーツを付ける位置は慎重に決めます。自分でも適当なので上手く説明できませんが、先過ぎず、かといってあまりに真ん中寄りでは無いところですかね・・・。失敗してもゆるく刺して付けていればやり直しもできます。

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 本体に付けながら、形も刺して整えていきます。

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ここで、ちょっと背中のボリュームが足りないかなと思い、少し付け足しました。

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軽く形を整えて、こんな感じ。

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次に足を作ります。適当な量の羊毛を取り、指先で細長くまとめて準備します。

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同じ大きさになるように、もう一つ。

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これを刺してちょっと細長い楕円形(太もも用)に整形します。

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二つ同じ様にできたら、今度はもう少し少量の羊毛で、ひざ下の部分用のパーツを作ります。このパーツは太もも部分に重ねて少し見える程度のものなので、割といい加減に作っても大丈夫。

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この2つのパーツを重ねて刺し、たたんだ足の様に見える感じにします。

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もちろん、もう1つ。

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できたら、これらを本体に付けます。

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少し羊毛を縫い糸の様になるように補って刺し付けると、しっかり付けられるでしょう。でも、まだあまり硬く付けないように。最後に形を整えるまでは柔らかさに余裕を持たせておきます。つまり、この時点で形が多少崩れていても全然OKです。

 

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ここで、お腹部分にもう少しボリュームを持たせたいので、足しました。

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ゆるく形を整えて、こんな感じ。

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さて、今度は目を入れます。目は黄色の縁取りに黒い瞳を入れようと思います。まずは黄色の羊毛を適量取り、指で丸くまとめます。

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これを目の位置に刺します。この後黒目を入れるので、それより大きくなるようにします。

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これも少し緩めに差し入れる程度に。こんな感じになりました。

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黒目になる部分を用意します。先ほどの黄色のより少ない量の羊毛を指先で丸めます。

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これを黒目の周りに黄色い部分が残るように刺し入れます。この目を入れる作業はかなり慎重に行います。もちろん後で修正もききますが、目の入れ具合で可愛くなるか、どうかが決まってしまいますから。

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なかなか可愛く入りました。

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次に体の横の模様を入れます。こげ茶の羊毛を細く取り、糸状にしておきます。

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これを目の後ろから腹の横を通って足の方まで刺して入れます。

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軽く刺して表面に模様を置いていく感じ。表面に付けば良いので、あまり奥まで刺し込まなくていいです。こんな感じになりました。

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今度は鼻から目にかけて線状の模様を入れていきます。先程よりも更に細く羊毛を取り、糸状にします。

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鼻の辺りから目にかけて刺しいれていきます。余った部分ははさみで切ります。

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左右両方に模様を入れて、こんな感じになりました。だいぶカエルらしくなってきましたね。

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さて、今度は腕を作ります。足よりも細いのでちょっと難しいですね。足の時と同じ要領で腕になる適当な量の羊毛を取り、指で細長くひねってまとめておき、刺していきます。

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細長い腕パーツを一本作って、途中から折ってくの字状にするか、上腕と前腕を別々に作ってから合わせてくの字状にするか、いつも迷います。今回は一つずつ双方のやり方で作ってみることに。

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だいたいの形に整えます。腕はいつもあまり上手くできません。最も苦労する部分ですね・・・。小さ過ぎて形をコントロールできないんですよ・・・。

腕の両端はあまりまとめずに、後で他の部分と接合することを考えてポヤポヤした状態にしておきます。

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ま、少々イマイチでも次に進みましょう。できた腕部分を胴体に刺し付けます。この時、腕の取り付け位置も割と慎重に決めます。図鑑やネットで事前に写真を見てカエルの腕がどこから生えているのかよく見てみるのですが、腕を伸ばしているのか、縮めているのかで、違って見えて、よくわからないんですよね・・・。まあ、だいたい胸の辺り?

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ある程度しっかり固定するためと、見た目も考えて、付け根周辺に白い羊毛を足して刺します。

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ここまでくれば、いつもならもうほぼ完成。あとは手と足を適当にごまかして体の下に隠れるように作って終わりなんですが、今回はこれからが大変でした・・・・。

 

では手足を作ります。以下に示すやり方は、まだまだお試し段階で、とてもベストな方法とは言えません。何度も失敗を繰り返し、今までの行程と同じか、それ以上に時間が掛かり、本当に疲れ果てました。

まず、白い羊毛を少量、薄く広げてキッチンペーパーの上に乗せます。

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スチのりを少量垂らし、上からキッチンペーパーで挟んでのばします。手のひらになる部分にのりをなじませる感じ。ここからは手がベトベトになるし、のりがどんどん乾くため、スピード勝負の作業となり、こまめに写真を撮れませんでしたが、なんとか言葉で説明します。

 

キッチンペーパーを剥がすと、ベトベトの状態なんですが、これを手で薄くシート状になるようにします。のりが次第に乾いてくるのですが、半乾きくらいのところで、はさみで指の数を考えて切り込みを入れます。手ならば指4本分、足ならば5本分です。そして半乾きのベトベトなうちに切り込みを入れた部分を指で細くひねり、指らしくします。これが、本当に上手くできない。もうベトベト手にくっついて、収拾がつかない感じになりますが、何度も失敗し、やり直すうちに偶然上手くいくまで我慢。

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細くひねった指部分の先端を丸めて吸盤っぽく整形します。のりが途中で乾いてしまうので、少し付けては形を整えるって感じです。何度も繰り返し、悲しくなるほど上手くできませんが・・・、悪戦苦闘の末なんとかそれらしいのが一つできました。

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これをあと3個作ると思うとうんざりするような作業ですが、とにかくできるまで我慢です。足部分はこんな感じ。

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少々出来が悪くても、もうこれ以上やりたくないって気分になってしまいました。本当はもっとちゃんと形を作りたかったのですが、根負け。これで良しとしましょう。トホホ・・・。この手足を作る作業で、ここまで来るのに約5時間は費やしたでしょうか。もっと簡単な方法ないかな・・・?

 

で、これらをいよいよ本体に付けます。接合部分に少量の羊毛を置き、縫い止めていくような感じです。のりで硬くなっているので、これまたちょっとすんなりとは付きませんが、ま、なんとかなりました。

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んー、足がイマイチですね〜。仕方ないか・・・もう作り直す気力無し。

これでほぼ完成です。あとは刺して全体の形を整えます。この作業も実は大切です。上手く形を作らないと本物っぽくカッコ良くなりませんからね。この最終整形作業ができるように、今までなるべく緩めに作ってきたわけです。忘れていましたが、このあと耳を左右に入れました。目の後ろ辺りに小さく黄色で丸く入れています。

 

やれやれ、ようやく完成。手足に手間取って10時間以上掛かっちゃったな。

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仕上げにポヤポヤと出ている細かい羊毛をはさみでトリミングします。

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非常に疲れましたが、完成品を見るとやはり嬉しいですね。